2024年にアニメ化し瞬く間に人気となった『薬屋のひとりごと』2025年にはアニメ2期も決定し、ますます人気度が高まりそうですね。
アニメを視聴して続きが気になった方も多いはず。そこで本記事では『薬屋のひとりごと』文庫版・原作小説のネタバレを踏まえつつ解説していきます。
それではいってみましょう!
『薬屋のひとりごと』文庫本・小説ネタバレ
ここからはアニメ化された箇所を割愛してネタバレも含めて各巻解説していきます。
小説1・2巻の途中までは、すでにアニメ化されているので割愛。
小説3巻ネタバレ
以下アニメ1期以降のネタバレになりますのでご注意ください。
小説3巻の注目ポイント
- 香油と後宮での出来事
- 西の国からのキャラバンと堕胎薬
- 静妃の死と毒茸事件
- 梨花妃と堕胎薬の陰謀
「薬屋のひとりごと」原作第3巻では、壬氏の夢から始まり、彼が自分を皇帝の弟だと思っていることが描かれていますが、実際には彼は皇帝と阿多妃の長子、つまり皇帝の息子であることが判明しています。
壬氏は真実を知らされておらず、家系図が複雑に絡み合っています。阿多妃も壬氏に真実を話しておらず、この複雑な関係が物語の重要な要素となります。
また、安氏(皇太后)と女帝(皇帝の祖母)の関係も悪く、先帝が母(安氏)を恐れていたことや、安氏が先帝を憎んでいたことも示唆され、登場人物たちの間に複雑な感情が渦巻いています。
物語の中盤では、猫猫が青薔薇で香油を作り、これが堕胎薬事件の伏線となります。
やり手婆から取り寄せた書が後宮での識字率向上のきっかけとなり、壬氏が後宮に学校を建てる計画を立て、猫猫に意見を求める姿勢に猫猫も感心します。
壬氏と猫猫の関係が深まる中、壬氏が後宮の識字率向上を目指している姿勢が描かれ、彼の思慮深さと猫猫との相互理解が進展していく様子が描かれます。
一方、西の国からのキャラバンが登場し、妊婦向けの商品が売られる中、実は堕胎薬として使える香油が流行していることが発覚します。最初は玉葉妃がターゲットかと思われますが、実際には梨花妃が狙われていたことが判明。猫猫がこの陰謀に気づき、梨花妃を守る展開となり、梨花妃の妊娠が物語の重要な要素として描かれます。
また、静妃の死が毒茸によるものであることが明らかになり、彼女が行方不明になった理由や、侍女たちが1年間にわたり身代わり作戦を行っていたことが発覚。毒茸事件は、かつて玉葉妃に命が狙われたことと関連があり、壬氏が猫猫に毒茸について調べさせた理由も明確になります。この過程で、猫猫が壬氏に対する信頼を深める描写もあり、物語全体に緊張感が漂います。
さらに、梨花妃の従姉妹である侍女の杏が堕胎薬を作ろうとしていたことが判明し、杏が梨花妃を憎んでいた理由も描かれます。最終的に、梨花妃が杏をかばい、彼女を後宮から解雇することで解決しますが、これもまた妃たちの間に複雑な感情が絡み合う展開となります。
物語の中盤では、猫猫が壬氏と共に選択の廟に行き、国の歴史に関する謎を解き明かします。王母の血筋に関する謎が明かされ、壬氏と猫猫の関係がさらに深まる中、彼らが今後どのように関わっていくのかが示唆されます。この時、宦官が壬氏に猫猫との結婚を提案する場面もあり、物語の終着点として壬氏と猫猫が対等な立場で結ばれる未来が暗示されます。
後半では、西の外交官が後宮を訪れ、「真珠の涙を持つ絶世の美女」を見たいと壬氏に相談します。壬氏はこの難題を解決するために女装して絶世の美女を演じることになります。この外交官たちの動きが、後に楼蘭妃や西の国の反乱に繋がる伏線となっています。
皇太后安氏が猫猫に接触し、先帝の遺体が腐らない「呪い」の謎を解くよう依頼します。最終的には、先帝が使用していた絵具に含まれていた毒が原因であり、呪いではなかったことが判明します。また、安氏が壬氏に対して「お気に入りを隠しておかないと、誰かに奪われる」と忠告する場面があり、これも物語の今後の展開を予感させます。
最後に、壬氏が弟帝として狩りに参加しますが、鉄砲で狙われて猫猫と共に危機に陥ります。この場面で、猫猫は壬氏が宦官ではないことに気づきますが、彼の真実を知ることを避けようとします。壬氏は何度か身分を明かそうとしますが、最終的には機会を逃し、真実は明かされずに物語が進みます。
この第3巻では、壬氏の出自や皇族の家系図、妃たちを巡る陰謀、そして猫猫と壬氏の関係が複雑に絡み合いながら描かれ、物語全体が大きく進展します。梨花妃の妊娠や西からのキャラバン、後宮での陰謀などが、今後の展開に繋がる重要な伏線として描かれており、ますます物語の展開が複雑になっていくことが示されています。
小説4巻ネタバレ
小説4巻の注目ポイント
小説巻でのポイント
- 翠苓と子翠の関係
- 猫猫の拉致
- 血縁関係の謎
- 王母の血筋と子の一族の謀反
- 玉葉妃の昇格
『薬屋のひとりごと』第4巻では、翠苓と子翠の二人が重要な役割を担い、彼らが血縁関係にあるという衝撃的な事実が明かされます。
この事実は伏線が少なく、突然の展開で読者を驚かせるものですが、これまで猫猫と彼らが親しく絡むエピソードが多かったことから、物語における伏線として機能しています。特に子翠は早い段階で覚悟を決めていたようで、その悲しげな運命が強く描かれています。
物語のもう一つの大きな展開として、猫猫が子の一族によって拉致され、クーデターの計画に巻き込まれる事件が起こります。これに対して、壬氏が本来の地位に戻り、猫猫を救うために行動を起こす場面では、彼の男気が際立ちます。壬氏がこれまで少し「やられキャラ」的な印象があったのに対し、今回の巻ではヒーローらしい活躍が強調され、読者の心を引きつけます。
壬氏はこの巻で自身の身分を明かしますが、猫猫はその事実に対して全く態度を変えず、いつものように彼に接します。このシーンでは、猫猫が「前よりも男前になった」と冗談を言い、壬氏を感動させると同時に、彼が花街まで追いかけてくるというロマンティックな展開も描かれています。この二人の関係は、常に追い追われるという緊張感を持ちながら進展していきます。
物語の中心にあるのは、子の一族の謀反と、その血縁関係にまつわる謎です。特に、王母の血筋を守るための仕組みや、色盲が絡む謎解きが大きな鍵となります。この謎解きを通じて、猫猫が再びその聡明さを発揮し、国の歴史に関わる重要な真実を明らかにします。猫猫の誘拐によって、子の一族の陰謀が表面化し、物語は大きく動き出します。
さらに、玉葉妃がこの巻で正式に正室となり、後宮内での勢力図にも大きな影響を与えます。新たに登場するキャラクター、羅漢もまた、物語を深く複雑にする存在として描かれます。彼の登場によって、物語は一層厚みを増し、読者を惹きつけます。
4巻では、3巻から続く伏線が回収されると同時に、新たな謎や伏線が生まれます。王母の血筋、鉄砲の輸入、診療所と後宮の関係といったテーマが明かされ、物語が一部進展する一方で、次巻以降に続くさらなる展開の準備も着々と進められています。物語はますます複雑さを増しながら、深いテーマに触れ続けています。
小説5巻ネタバレ
小説5巻の注目ポイント
小説巻でのポイント
- 壬氏の嫁探し編
- 蝗と公害の伏線
- 薬師の村の土地問題
- 壬氏の嫉妬と恋の進展
- 陸遜(りくそん)の挑発と猫猫の覚悟
『薬屋のひとりごと』小説5巻では、壬氏の嫁探しをテーマに、彼と猫猫の関係が大きく進展するエピソードが描かれます。
物語の冒頭では、猫猫が花街で薬屋として働き、趙迂(ちょうう)などと関わる日々が描かれています。蝗(いなご)の煮付けを巡る出来事や、子の一族の残党が持っていた虫の図鑑を探すために猫猫が奮闘する場面もあります。
特に、公害の予兆となる虫害の話が後の展開につながる重要な伏線となっています。
その後、壬氏から猫猫に「遠出の誘い」という形で手紙が届き、彼らは薬師(ヤブ医者)の故郷の村を訪問。土地の権利を巡る争いが起きるも、猫猫の機転により無事解決されます。
その後、壬氏の嫁探しのため、西都(せいと)へ向かうことになりますが、嫁選びをする宴の前日、壬氏は猫猫へ新しい簪を送ります。
壬氏が猫猫に送った簪(かんざし)は、月と芥子(ケシ)の花をモチーフにしており、壬氏が猫猫に特別な感情を抱いていることを象徴するアイテムとなっています。
これを通じて、壬氏は猫猫に対する思いを間接的に伝え、猫猫もそれを受け取る形になります。
壬氏は、猫猫を「羅の一族の姫」として宴に参加させることを提案しますが、その実、自分には猫猫という心に決めた相手がいることを周囲に知らしめたかったのです。この宴の設定自体が、壬氏にとって猫猫を嫁に迎えたいという意図をほのめかすものであり、嫁探しという名目のもと、彼の本心が徐々に明らかになります。
一方、猫猫は宴に対して我関せずの態度を貫き、食事や酒を楽しむだけで他の女性たちとの関係を深めようとはしません。しかし、壬氏の感情を察している周囲の人物、特に陸遜(りくそん)は、壬氏の気持ちを試すために猫猫に近づき、彼女を踊りに誘います。
このシーンで、陸遜(りくそん)は猫猫に「壬氏がなぜ猫猫をここに連れてきたのか」を問いかけ、壬氏の思いを再認識させる役割を果たします。
この時点で猫猫は、自分が壬氏にとって「都合の良い侍女」であると考えていますが、陸遜は「羅の姫」としての自分の価値を再認識させ、壬氏にとって彼女が特別な存在であることを強調します。
宴の場では、多くの女性が壬氏にアプローチする中、壬氏は全く興味を示さず、猫猫との関わりに焦点が当たります。宴の終盤、陸遜(りくそん)が猫猫を踊りに誘うことで、壬氏の嫉妬心が刺激され、彼は猫猫に対して積極的な行動に出ます。
この時、陸遜(りくそん)は去り際に猫猫の手の甲に口付けをしてるんですよね。
嫉妬心から猫猫に強引に接し、口付けを迫る壬氏の姿が描かれ、二人の関係にさらなる緊張感が生まれます。
宴の後、猫猫が外に出て一人で座っていると、壬氏が彼女の隣に現れます。ここでの壬氏は、猫猫に対して強く惹かれていることが表現されています。彼は猫猫の手を掴み、まるで逃げないように指を絡めて固定するシーンがあり、壬氏の感情がかなり激しく表現されています。
彼が彼女の頭に顎を乗せ、「ちゃんと簪をつけているか確認する」と言いながら、自分の思いを確認するような仕草を見せます。
さらに、壬氏の感情が高ぶるシーンでは、彼が猫猫の首を柔らかく締め始め、息苦しさを感じた猫猫が口を開けると、壬氏はそのまま口付けをしてしまうという大胆な行動に出ます。
壬氏が感情を抑えられず、猫猫に対する独占欲や恋愛感情が爆発してしまう瞬間ですね。
また、陸遜(りくそん)との関係も問いただしつつ、さらに深く口付けをしようとするシーンは、彼の嫉妬心も垣間見える重要な場面です。
猫猫は、壬氏のこの行動に対して驚きながらも、花街で培った技でやり返すような描写もあり、2人の関係が単なる主従関係ではなく、徐々に恋愛的なものに変わっていることが強く示唆されています。
物語の最後には、壬氏は嫁を選ばず、猫猫との絆をさらに深めたまま物語は進行していきます。今回のエピソードでは、壬氏が猫猫を特別視していることが強調され、二人の関係性が大きく変化する場面が描かれています。